【電験理論の交流回路基礎講座】過渡現象とエネルギー計算について

基礎講座
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でんます
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こんにちは!電気資格コンサルタントのでんますです!

今回は電気理論の基礎講座、過渡現象とエネルギー計算について解説していこうと思います。

過渡現象は電験2種にも出題され、その際は微分積分計算を要求されてきます。

今回の電験3種レベルではそれはありませんが、将来的に電験2種を受験するのであれば、内容が繋がってくる場面も多いのでしっかり理解しておくといいです。

さて、過渡現象とはどういう現象なのかについて説明します。

過渡現象(かとげんしょう、英: transient phenomena)は、ある定常状態から別の定常状態に変化するときに、いずれの状態とも異なり時間的に状態が変化する非定常状態になる現象のことである。

過渡現象 – Wikipediaより転載

つまり、ある瞬間における状態変化を示したものとなります。

電験の問題では、この過渡現象をスイッチの開閉で表現している場合が多いです。

ということで、今回は過渡現象とそのときに発生するエネルギーの状態について説明していきます。

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インダクタンスLとコンデンサCの過渡現象について

過渡現象が具体的に働くのはインダクタンスLとコンデンサCのみになります。

主にスイッチ切り替え時にどうなるか?といった部分が質問される場合が多く、性質をよく理解しておくことが解答のコツとなってきます。

ということで、まずはインダクタンスとコンデンサについて深堀していきます。

【過渡現象】インダクタンスLの特性

インダクタンスLの過渡現象は、以下のように表現されます。

時間による電流の変化は上記の通りです。

このときのインダクタンスにかかる電圧VLの変化は上記の通りです。

最初の電流の変化からわかるのは、リアクタンス成分も変化しているということです。

電験3種の過渡現象では、ここの理解をしておけば大丈夫かと思います。

Lのリアクタンス成分はωLとしてあらわされます。

そして、電流は時間変化により一定となる(最大値になる)とすれば、ωLは∞から0へ移行していると言えます。

つまり、下記のようになります。

また、インダクタンスLに蓄えられる電磁エネルギーを表す公式は以下の通りです。

ひとまずはこれだけ覚えておけば大丈夫かと思います。

【過渡現象】コンデンサCの特性

コンデンサCの過渡現象は、先ほどのインダクタンスと逆の特性となります。

時間による電流の変化は上記の通りです。

このときのコンデンサにかかる電圧Vcの時間変化は上記の通りです。

コンデンサは電気エネルギーを蓄える特性がありますので、時間により充電されていくことがわかります。

電験の問題ではこの特性をよく理解しておくことが重要です。

続いてコンデンサにかかる電圧Vcから電源を除去すると、時間により低下していくことがわかります。

また、コンデンサCにかかる静電エネルギーの公式は以下の通りです。

以上のように、過渡現象は最初の動きと定常状態の動きを理解しておけば、大体の問題は解けるようになるかと思います。

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過去問から過渡現象を解説します

では手ごろな過去問から過渡現象について解説していきます。

インダクタンスLを使用した回路について

そのまま過去問がネットになかったので手書きです。

この回路でスイッチSを閉じ、時間が経過した後はどうなるか?というのがこの問題の趣旨です。

ここで繋がっているのはインダクタンスLですので、特性としては下記の波形になります。

時間が経過した後という問題ですので、定常状態であると仮定してみます。

すると、回路に流れる電流については大きくなるということがわかります。

また、抵抗に流れる端子電圧については、電流と電圧は比例するため上昇するといえます。

そして、コイルにかかる端子電圧については以下の波形で説明できます。

つまり、現在は定常状態ですのでコイルにかかる電圧VLは低下しているといえます。

またはωLは定常状態は0に近づくと考えると、インダクタンス部分で短絡されている状態になるとも言えます。

では次に冒頭で紹介した過去問から説明していこうと思います。

 

こちらですね。

簡単にいうと、方形波が2段階で変化しています。

1段階目はプラスの波形、T0後はマイナスに変化していると言えます。

つまり、OFFになったという認識でいくとわかりやすいかもしれません。

すると、状態変化としては定常状態⇒OFFになります。

インダクタンスLの状態変化は定常状態でEは最大になります。

次にOFFの状態になるので、時間変化によりVLは低下していきます。

よって、解答は(5)になります。

コンデンサCを使用した回路について

再度過去問から解説していきます。

この回路のとき、スイッチSを閉じた瞬間の電流値と、定常状態になったときの電流値を答えます。

スイッチを閉じたとき、コンデンサCの状態は下記の通りです。

スイッチを閉じた瞬間は、コンデンサにかかるリアクタンス成分は0となります。

つまり、抵抗R2を経由せずにコンデンサにのみ電流が流れていきます。

よって、回路図は下記のように書き換えることができます。

こうなると単純な計算で済んでしまいますね。

スイッチを閉じた瞬間の回路の電流値は、E/R1で表すことができます。

その後定常状態になったあとの電流値は、リアクタンス成分が∞になるので、Cには電流が流れないということになります。

よって、回路図は下記のようになります。

つまり、E/R1+R2で電流を表すことができます。

インダクタンスについてもこのような考え方が必要になってきますので、出題された際はごっちゃにならないよう注意しましょう!

では次に冒頭で説明した問題について解説していきます。

この回路に関してもスイッチ①から②への切り替えをする問題です。

初期の①の回路では、電源が直接コンデンサへかかる形となりますので、コンデンサに電化がたまります。

つまり、電源と同様の電圧が蓄積されるといえますので、コンデンサにかかる電圧は2Eとなります。

その後スイッチ②へ切り替えすると、電源の接続が切れてコンデンサに蓄えられた電荷と新たな電源Eのみの電源となります。

Eは電流の向きと逆でありますから、2E-Eよりこの循環回路の電圧はEとなります。

こうなるともう単純回路なので、電流はE/Rで表すことができます。

コンデンサの過渡現象における波形は下記の形ですので、答えは(3)のみ一択となります。

以上のように、コンデンサ回路においては電源電圧が移るということも頭に入れておくと、随分と応用が効くようになってきますね。

当然、基礎的な特性についてもカバーしておく必要がありますので、充分理解して本番に臨みたいところです。

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【電験理論の交流回路基礎講座】過渡現象とエネルギー計算について:まとめ

僕の思考回路の整理もかねて今回は説明をさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。

多分、過渡現象問題の解答に必要なのは、基礎的な特性の理解だけであとはオームの法則などの組み合わせで解答できるかと思います。

結局、直流回路の計算問題ができていれば大丈夫かな?という印象でした!

この単元自体が応用みたいなものですので、しっかり基礎から学んでいくことが大事ですね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました^^

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